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書くが、ままのtのネタバレレビュー・内容・結末

書くが、まま(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます


ねえこのまま、

青春映画ってものは、どんな最低な時間だって脆く儚い刹那的なものとして『青春』を描くから、画が綺麗。物語じゃなくて雰囲気だけ楽しんでる。
セミが鳴いてる。ノートで顔を扇ぐ。授業中クスクスと笑う声がする。
「え〜もうやだぁ!」嫌じゃなければ嫌じゃないほどそう言う。楽しそうに笑う。
遠くで喧騒。セミの鳴き声の方が少し近い距離。

あ〜もうハマっちゃうな、この嫌な感じ。もう戻れない地獄。今戻ったらきっともっと上手にやるのに、なんて思う。多分上手くなんてやれない。もう二度と戻りたくない、あんな場所。
保健室の先生なんてものは善じゃないと務まらないのかもしれない。それが本物だろうが偽善だろうが、はたから見た時に善じゃないと、逃げ場所がひとつなくなる。元から手持ちはあんまりないのに。偽善でもいいからそこにいて、優しく受け入れて、そうじゃないと、そうじゃないと。

先生、なんでもないよ。先生、なんでもないけど、先生、あなたは、なんでもない私を、なんにもない私を、先生、あなたは。

書かなきゃやってられない。だって誰にも言えないもん。
「あんたは何がそう気に食わないの」
自分を取り巻く何もかもだよ。「自分のことばっかじゃなくて」でも、自分のことで精一杯なの。自分のことさえ持て余してるの。

「オトナになりたいって思う?」
「うーん、どっちでもいいよ。おとはといられたら」
いじめっ子に本当の友情があること。いじめっ子にも愛し愛される家族がいること。あんな嫌な奴なのに。私を地獄に突き落とすくせに。

救いだった言葉って、縋ってるといつのまにか嘘になる。言葉って必ずしも色褪せないものじゃない。その時々に形と色を変えて、救いだったのに呪いに変わることもある。でもその言葉がなきゃ今の私がいないのも事実なんだよ。確かにあの日、救いだったんだよ。

主人公の心の中が歌になった時、すごく刺さった。
もう本っ当にこういう青春映画、苦手。昔の自分と重なって心臓抉られそうになる。苦しい。ハマる。
めっちゃ共感して落ち着かなかったけど、最後ちょっとミュージックビデオで残念!奇抜な展開あんまり好きじゃないなぁ。
映画のレビューっていうか、私も主人公と同じ。心の声をダラダラ書くだけ。
え〜ちょっと邦画ハマったかも、好きかも!
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