狂気と耽美
マックイーンがもうこの世にいないことがわかっているから....っていうのもあるけど、彼が心底から表現し挑発してくる世界観と放たれるエネルギー量が半端なくて圧倒され泣いてしまった。洋服を見てこんなに涙するとは....。
特にケイト・モスのホログラム映像部分には儚い煌めきに心を奪われたし、彼の才能を見出だしたイザベラ･ブロウの追悼コレクションでは忍ぶ想いを込め、故人を彷彿させるかの如くの華やかなお洋服からふたりの強い関係性を窺い知れた。
どんな世界や思想もファッションに落とし込める天才だが、富や名声では幸せになれなかった。彼は身を削ってどこまても没入したが、神様がもう止めさせたんだと思う。
彼の闇の世界にマイケル･ナイマンの音楽が光を添えていた。
