いののん

沖縄スパイ戦史のいののんのレビュー・感想・評価

沖縄スパイ戦史(2018年製作の映画)
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私は、沖縄のことはどうしても “他人事” にはしたくない。沖縄を思うことは、私にとっては、“アタシの良心” の最後の砦だ。だから、近くの映画館で沖縄関連のドキュメンタリーが上映されれば、なるべく足を運びたいと思っている。何もしていない自分に後ろめたさを感じ、恥じ入り、懺悔したい気持ちを抱えながら。


終盤、この映画は、思ってもみなかったところに話が行き着く。
このドキュメンタリーは、過去の話を風化させないための話、というだけではなかった。(もちろん、それも非常に重要なことであることは、言うまでもない。)終盤、このドキュメンタリー作品は、現在の自衛隊の話、現在の法の話に行き着く。その時、この映画は、これはあなたの映画ですよ、ということを観客に突きつける。見事な展開だと思う。


ただ、最後の最後、監督がおばあに抱きついて囁くひと言が、あざとすぎる。と、私は思ってしまった。申し訳ないけど。あんなひと言を、映画の最後のカットで見せるなんて。監督がいかに不屈の精神で健闘しているか、どれほどの決意でこの映画を撮っているのか、それは観客がそれぞれ、慮ればよかったことなのに。ナルシスト三上で終わっちゃう。やせ我慢をしてでも、あのひと言は、観客に見せるべきではない。と私は思う。(三上監督作品を観るのは、これで3作目。だから思い切って言いたいことを書かせてもらいました。)
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