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アラジンのrensaurusのレビュー・感想・評価

アラジン(2019年製作の映画)
4.5
ディズニーの実写化の中でも原作を損なうことない世界観や、原作を上回る脚本への加筆が見られる、限りなく有意義な実写化作品。

街並みや装飾は一層ゴージャスになることでスケールが増し、楽曲も原曲より遊びのあるアレンジに仕上がっている。何よりの改変ポイントは、ジャスミンが国民を思い、国王を目指しているところ。女性への向かい風を跳ね除ける『スピーチレス』は強烈なインパクトとメッセージを残した。ポリコレ感は強いが、映画の盛り上がりに寄与していたのは明らかだ。

ウィル・スミスもジーニーという大役を遜色なく演じ切っており、彼の表現力の高さには脱帽である。

また、ダリアという追加キャラも、ジャスミンの気の抜けた一面を引き出すだけでなく、ジーニーが自由になることへの喜びや変化をより伝えやすくしていた。エンディングまで通して観ることで、オープニングで物語を語り始めたのがジーニーだと分かる演出の変更も良かった。

堅物ジジイになったサルタン国王、狡猾さが増したジャファーなど、実写にあたって原作から絶妙な変更が施されているのも好印象。

さらには、ダンスをするシーンがエンドを含めて2,3シーン加えられており、ボリウッド感があって面白かった。

原作リスペクトはもちろん、創作への情熱が感じられる素晴らしい実写化作品。
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