映画好きの柴犬

アラジンの映画好きの柴犬のレビュー・感想・評価

アラジン(2019年製作の映画)
4.4
 なめてました。傑作です。大ヒットしてるのは知ってたけど、これほどの出来とは。最近、ディズニーアニメの立て続けの実写化で、正直食傷気味だったんだけど、劇場で見ればよかったと激しく後悔。

 ディズニーは、実写化におけるバランスの取り方が本当にうまい。ジーニーをはじめとするビジュアル面や、ストーリーのディティールを強化して、陳腐にならないようにちゃんとリアリティを持たせている。

 第一は、現代的にアップデートされたヒロイン・ジャスミンのキャラクター。そして、それを象徴するかのようにクライマックスでジャスミンが思いの丈を吐き出す新曲「Speechless」の素晴らしさ。ナオミ・スコットそして吹き替えの木下春香の歌唱も素晴らしく「Let it go」を超えるカタルシスに震えた。
 
 第二にミュージカル映画としての完成度。いや、むしろ振り付けを含めてインド映画と言ってもいいぐらいのストーリーと音楽の融合。アラジンが気に入った人は、ぜひインド映画も見て欲しい。

 配役も見事。ウィル・スミスのジーニーはキャラクターとしてハマってたし、ジーニーの相手役として追加された侍女ダリア(ナシム・ペドラド、ちょっとアン・ハサウェイ似で愛嬌があって素敵)の存在が、ジーニーの人間味を強化していた。アラジン役メナ・マスードは、序盤のパルクール的アクションやダンスもよかったし、誠実なキャラクターが滲み出てた。そして、ナオミ・スコット。見れば見るほど広瀬アリスににてるなぁと思ってしまう(「パワーレンジャー」のときは、実際広瀬アリスが吹き替えだった😅)けど、芯の強さを秘めながら大きな目と口でくるくる変わる表情が魅力的。そして歌唱力も圧巻。

 吹き替えも文句なし。中村倫也や木下春香、山寺宏一が注目されがちだけど、何気にジャファー役の北村一輝がハマってた。