このレビューはネタバレを含みます
我が子への愛ゆえに禁忌を犯した父親と、巻き込まれた家族たちの救いのない物語。
クリード家の裏にあるペット霊園の奥には、古くは先住民の埋葬地であった土地があり、そこの土に死者を埋葬すると蘇るという。
しかし、蘇った者たちはもはや元の彼らではなく、邪悪なモノに変わってしまうのだった。
スティーヴン・キングの原作では、トラックの犠牲になるのはゲージのほう。物語の後半には、ゲージを失った家族たちの悲しみが胸が痛くなるほど細かく描かれている。読み続けるのが本当に辛くなるくらいに。
映画版では、そのゲージの役回りをエリーに変えている。よちよち歩きのゲージよりも、主人公と明確に意思疎通のはかれる姉・エリーを犠牲にしたことは、1時間40分という短時間でこの作品をまとめるために、効果的だったかもしれない。
レーチェルのトラウマの原因である姉のゼルダ、蘇ったエリーの目つき、チャーチの禍々しさ、ルイスに危険を知らせ続けたヴィクター・パスコーなど、映像で観るとより怖かったなぁ…。
ラストは、クリード一家が互いに殺し合って蘇って、まさかのゾンビ一家誕生w
車の中で待っていたゲージも仲間入りさせられそうなところでエンドロール。
映画らしい終わり方で面白かった。
時間にもっと余裕あれば、ルイスと子どもたちの関係、我が子を失ったルイスが壊れていくさま、蘇らせる決断に至るまでの苦悩、遺体を墓から盗み出す緊迫したシーンなど、ルイスの子への深い愛情を細かく描くことが出来たと思う。
が、キングの原作ファンとしても、満足できた映画だった。
昔のオリジナル版?も観てみたいな。