すがり

ペット・セメタリーのすがりのレビュー・感想・評価

ペット・セメタリー(2019年製作の映画)
3.4
実のところ旧作版を観ていません。
でも話にきいていたところではもう少し感情的な要素というか、人情もある印象だったので今作のしっかりホラーには戦慄を味わわされてしまいました…。

そもそもね、私はホラー苦手で、好きなのに苦手という悲しみの中のそこはかとない嬉しさを胸に映画を観ています。
その点で、きっとホラー要素を多めに配合したであろうこのリメイクは、顔を覆った手指の隙間から覗くような形で楽しくさせていただきました。

死んだ愛娘がかえってくる。
この状況、欲求を抗うのは難しい。

それは限りなく生を追求し、それを信じることこそ仕事とも言える医師という立場のルイスであっても同じこと。

予告で娘の死と再生まで出しているにも関わらずそこに至る流れがゆっくりで、少しこちらの気持ちが焦ってしまうが、
その分各々の死生観がよくよく描かれて行き、娘のかえってくるその時までにはこちらも映画においてどういう見つめ方をするのかと落ち着くことができる。

奥さんについてはそれが特に印象的でした。
奥さんの死生観がそのままホラー描写にも繋がり、分かってはいても怖い怖い…。
やはり怖いのは苦手である。


ルイスや他の人々の行動について何かを問うわけでもありませんが、やはり旧作の方も観なくてはなと、キング原作のリメイクはそう思わせてくるものが多い気がしますね。
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