TOMMY

七つの会議のTOMMYのレビュー・感想・評価

七つの会議(2018年製作の映画)
3.9
『 会議ですか?』
『 ええ。居眠りの時間です。』

中堅メーカー・東京建電の営業一課で万年係長の八角民夫は、いわゆる「ぐうたら社員」。トップセールスマンで、八角の年下である課長の坂戸からは、そのなまけぶりを叱責され、営業部長・北川誠が進める結果主義の方針の下、部員たちが必死で働く中、八角はひょうひょうとした毎日を送っていた。そんなある日、社内でパワハラ騒動が問題となり、坂戸に異動処分が下される。坂戸に代わって万年二番手に甘んじてきた原島が新しい課長として一課に着任するが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた。

サラリーマン時代を思い出す作品。休日出勤を断ろうとした時、上司から『 権利を主張するなら義務を果たせ!』と言われたのを思い出しました。こんな昭和チックな企業まだあるの?と言いたい皆様。あるんです!!未だに!!若い人にはあそこまでは無いかもしれませんが、管理職から中間管理職への指導はあんな感じらしいです!ただのおっさんがめちゃくちゃ怖い。役者もそうだけど、大企業で役員とか社長やってる人って言うのはオーラがある。あと、覇気がある。サラリーマン時代によく役員が営業所に来て営業課員に指導会をしてくれました。役員は傍から見るとただの優しそうなおじさんでしたが、指導会が始まると一変。営業所の部長や課長、主任たちへの指導は空気が震え、自分のことではないのに体が震えました。そこで、『 あぁ、これが覇王色か。』と思ったもんです。

そろそろ内容に。野村萬斎が実は出来るやつっていうのは流れで分かりますが、それでも20年無能社員を続けられるのはすごい。プライドとか考え方とか色々葛藤もあったろうに。そしてミッチーと助手のコンビが可愛いのなんの。ドーナツ食べたい。

池井戸作品ということで、キャストが豪華。所々に出てくる「東京中央銀行」や「帝国航空」などの企業名。是非クロスオーバーして欲しいけど、北大路さんや香川さんたちの負担エグそう。笑

誰が黒幕なのか。それを推理していく過程での勧善懲悪が池井戸さんの魅力だと思います。小説は読んだことありませんが。今回もコイツ?え、コイツ?いやソイツかい!みたいな感じに振り回され。でも最後は気持ちよく、少し怖い感じ。

そして、同期の絆ってやっぱりいいなーと。会社の同期って共に切磋琢磨したライバルであり、苦しみを共にした戦友でもあるんですよね。そこら辺が描かれててよかったなぁ。立場は変わっても、心のどこかでは繋がっている。理想の同期像。

日本人の生き方、考え方が不正が起こる一番の原因。でも何でも欧米の考え方の方が優れてるとか日本の考え方はおかしいとか言うのはどうかなと。日本のいい所はそのままに、不正が減らせる社会にしたいですね。

『 不正はなくなりません。絶対に!』
TOMMY

TOMMY