EDDIE

七つの会議のEDDIEのネタバレレビュー・内容・結末

七つの会議(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

日本企業に蔓延る闇を表現したドラマ。隠蔽に次ぐ隠蔽。企業体質ってものは結局上から引き継がれるもんなんだな!

池井戸潤原作の映画化ですが、原作は未読です。
主人公八角を演じるのは野村萬斎。彼が主役を張る映画を観るのは初めてでした。
もうね、彼の出現から惹きつけられっぱなしで存在感はハンパなかったです。ただやはり本職狂言師。笑い方や話し方に若干の違和感がなかったというと嘘になります。
しかし、それを補い余るほどの面白い映画でした。現代のサラリーマンの方々には共感する部分も多いのではないでしょうか。

東京建電の営業一課。会社の売上を支えるエース的部署。営業二課とともに束ねるのは香川照之演じる営業部長の北川でした。
彼を鬼と呼び恐れている営業の面々。営業会議では万年未達成で罵られ、とんでもないノルマを課せられる及川光博演じる二課課長の原島。過度のストレスにより会議中に吐いてしまう始末。
もうね、この会議のみんなの前で罵声を浴びせられる課長とかね、気の毒で仕方ないですよ。でもこんな会社現実に存在するんだろうなぁと思うと、人ごとには思えません。いかにも日本だなぁと。
逆に海外の人が観たらどんな評価をするんだろうってのも気になるところです。

で、この映画の伝えたかったこと。これってまさに真理だなって思いました。最後の最後で、八角に対して「どうやったら隠蔽はなくなりますか?」の質問。それに対する八角の回答が的を得すぎているな、と。
ホントにエンドロール終わるまで目一杯楽しめる映画でしたよ。

ネジの件とか営業としての裁量の多さとかも、仕事としてちょっと突っ込みたくなる部分も多いですが、そこはフィクションということで置いといて、かなり目が離せないほど楽しめる作品でした。

俳優陣も豪華すぎて、え?そんなちょい役でそんな人使っちゃうんだとか多々ありました。
そんな中で印象的だった俳優さんは以下の通りです。

・野村萬斎
本職狂言師ならではの独特の表現技法にやや違和感ある部分もありましたが、総じてかなり惹きつけられる演技でした。
・香川照之
さすがの顔芸。この映画では主役のアクが強すぎたのですが、通常であれば主役を食ってただろうなとさすがの演技力に脱帽。
・藤森慎吾
意外や意外。かなり印象的でした。オリラジ藤森もクズな経理社員・新田を見事に演じていましたね。最後まで残念なやつでした。
・朝倉あき
片岡愛之助演じる坂戸やその後の一課長原島をそばで献身的にサポート。新田との一件やドーナツの件など、この映画では欠かせない存在。美人なこともありますが、なんだか声が好きでした。
・北大路欣也
本作親会社のドン。御前様と呼ばれ、誰もが尊敬し、恐る存在。映画の出番は終盤に限られましたが、「この会議に議事録は存在しない」のひと言で全部持って行きましたね。凄い存在感。

もちろん他にもみっちーとか勝村さんとか諸々素晴らしかったですよ。

まぁとりあえずこの映画観て、東京建電には勤めたくないなと思いました。
EDDIE

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