こつぶライダー

七つの会議のこつぶライダーのネタバレレビュー・内容・結末

七つの会議(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

原作者、池井戸潤さんの本は読んだことありません。映画化作品だと『空飛ぶタイヤ』を観たことがあります。人気ドラマ『半沢直樹』は1話も観たことがありません。

前夜にとあるYouTuberさんが逆転作品としての紹介をされていたのを拝見したため、視聴してみました。

いや〜楽しかったです!
先が予測できるような内容ではありました。
が、飽きずに2時間液晶にしがみつけさせられたのは、テンポの良い編集と感情移入させてくれる役者さんの演技のおかげでしょうか。

鑑賞後にレビューを覗いたところ以下意見がありました。

・映画ではなくドラマで良かった。
・2時間では描き切れない人間描写がある。はしょりすぎ。

前者は、単純に興行的な映画ではなく、連続ドラマまたはTVドラマで良かったという考え。
後者は、原作を知っている方にとってみたら、原作の魅力を伝えきれていないという指摘。

どちらも何となくわかります。

それでも、映画好きの私からすれば、2時間という枠で、これでもかってくらい役者を揃えて、まとまった作品を作っているだけで素晴らしいと思えました。

また、野村萬斎さん。
恥ずかしいことに、役者としてほとんど知りませんでした。
能楽師というイメージしかなく、こんなサラリーマンという社会の一般的な役回りをこんだけ理解してやられていたことに関心。
もちろん、彼の味のある演技は惹き込まれましたね。香川照之さん、片岡愛之助さんら歌舞伎役者も揃え、劇場でしたね(笑)

※以降、ネタバレ。

不正を隠蔽する側と暴く側とがせめぎ合うという内容です。
序盤の伏線回収も見事です。最近『マスカレードホテル』等もそうでしたが、流行っているんでしょうか?

池井戸潤さん原作ですから、シナリオはきっちりとしています。安定感あり、決して裏切りません。

あの野村萬斎はじめ周囲の演技を受け入れられるかどうか、そこが評価の決め所。

映画としてやや不足を感じたのは、もう少し盛り上がる部分を工夫して見せて欲しかった。
淡々と進む中で、謎であった主人公の過去がわかってくるのだが、そこってこの物語で中枢をなす考えだと思うんです。
そこの引っ張りが弱いから、彼の熱意の強さが感じてこない。もしかすると、野村萬斎さんという個性的な役者の演技に賭けたのかもしれません。そこは残念でした。

物語は、社会人数年後あたりの男性が楽しめる内容ではないでしょうか?
働くことって何?と迷い始める、社会人5年目あたりの方に是非見て貰いたいです。
こつぶライダー

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