馮美梅

ハナレイ・ベイの馮美梅のレビュー・感想・評価

ハナレイ・ベイ(2018年製作の映画)
2.8
とんでもない男は子供を作って、その後死んで、残された子供のために必死で働いて子育てをしたのに、どうもお互い素直になれずに、息子はサーフィンのためにハワイに行ってしまう。

それが突然、サメの襲撃に遭ってあっけなく死んでしまった。
そんなもんだと割り切って対面した冷たくなった息子に会いに行った。
どうってことないと思っていてもやはり、断ち切れない漠然とした思いが彼女を毎年、息子の死んだビーチに足を運ばせる。

ずっと気持ちを封印しながらも、息子と向き合いたい、息子の生きた証を感じたいと思っている。そんな暮らしを10年も続けている。

本人は感じてないけれど、いつも彼女のそばにサーフボードを持った息子はそこにたたずんでいる。それを若い男の子に聞かされ、自分の封印していた気持ちが爆発する。息子は自分の事をどう思っていたんだろう、彼は何を感じていたんだろう。今、無性に色々聞きたいこと、自分の気持ちを伝えたいのに、全ては遅すぎた。

愛しているという表現をもっと彼に伝えたかった。
その思いが最後爆発するシーンはグッとくるものがあった。

映像がとてもきれいで、だからより残酷でどうしようもない気持ちに身につまされるけれど、彼の遺品には父に対しての思い出や母に対しての思いを感じられた。

同時期に吉田羊さんは「母さんがどんなに僕を嫌いでも」でも、息子と素直に向き合えない役をされていましたね。
馮美梅

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