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ピアソラ 永遠のリベルタンゴのQMのレビュー・感想・評価

4.0
ピアソラ・アニバーサリーイヤーの今年中に観ると決めていた本作をやっと。
バッティストーニ×東フィル定演で日本初演だというシンフォニアブエノスアイレス(高校時代に吹奏楽の何重奏かでリベルタンゴを聴いて痺れた"あの"ピアソラがオケの交響曲を作ってたことを恥ずかしながら今年知ったのだが) を聴くタイミングでタンゴの歴史の本を読んでいたのに合わせて本作を観ておくんだった。アストルピアソラの生い立ちと時代背景が家族のプライベートな視点から語られていて、意外ととっつきやすく見やすい。
バンドネオンという楽器やタンゴの成り立ちについてはほぼ触れられてないので調べておいたほうが絶対に楽しめるとおもう。
作品の中で多く語られてるお父さんとの関係。春の演奏会でバンドネオンの小松亮太さん&北村聡さんがアンコールで演奏したお父さんの死に際して作曲されたAdios Noninoにほろりとしたのを思い出した。一方アストル自身は息子とは色々蟠りもあったようで、ヒーローを讃える伝記映画というより人間くささのあるドキュメンタリー形式なのが良いし、クラシック作曲家の一面もありながらフッテージが豊富な近代のアーティストならではという感じ。
急いで鑑賞した理由の一つに好きなアーティストが今月とあるオケでピアソラを演るので (海外で聴きに行けないのが悔しくて)というのがあったのだが、映画を観た後に小松さんのインタビューを読んでいたらクラシック演奏家が (安易に)タンゴやることについての批判 (として誤りではないだろう) に名指しで同オケ創設者の名前が挙げられていて、なぜか自分が気まずい気持ちになった。。。
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