海水

ピアソラ 永遠のリベルタンゴの海水のレビュー・感想・評価

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劇場公開の時から観たかったのに逃してしまってたやつ。
これを観たらピアソラについて深く知れるのかと思いきや「まぁこの程度は当然ながら知ってるだろうけど」という、予備知識がないと若干置いていかれる感じの映画でした。
ピアソラ、小さい頃から可愛らしさと凛々しさを兼ね備えてる。そして、音楽の繊細さから想像もつかないような力強い猛々しいおじさんになるんだけど、やっぱり可愛らしさが見え隠れする。
憧れの詩人のことを「情熱的過ぎて狂っている人。是非会いたい」と言って入院中の精神病院に会いに行ったらしい。その人はずっと創作を続けながら「外の世界に知人はいない」と一生を精神病院から出ずに終えたらしいんだけど、芸術に情熱を燃やし過ぎてまともに生きられない自分に絶望し、七転八倒した末に情熱に水かけて無理矢理火を消して正常な人のフリをして生きることにしたわたしがバカバカしく思えてきた。狂っててもいいんだね。
そしてそんな風に語ってることすらダメみたい。ピアソラの言葉を借りて言えば「過去はゴミ」。名曲の楽譜もBBQでみんな焼いちゃったんだって。かっこよすぎる。わたしも自由に情熱的に明日を生きよう。
ところで邦題、耳心地のよい言葉で綺麗にまとめてるけど、本当は「ピアソラ~鮫の日々」やからな。サメはいいよね。
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