Shizka

ピアソラ 永遠のリベルタンゴのShizkaのネタバレレビュー・内容・結末

3.1

このレビューはネタバレを含みます

ピアソラの人生って、芸術家の中ではだいぶんいい人生だなあ。

家族でニューヨークに渡って極貧の中音楽の勉強をさせてもらえるとか、かなり恵まれている。ヨーロッパで成功してアルゼンチンでようやく認められたのを知ると、はあーん、それであのスタイル、という感じだね。

それまでのタンゴと違ってピアソラのタンゴは怪物でも出てきそうな攻撃的なタンゴが多くて、え、これ踊れるの?という複雑なコード進行に思える。

一方でクラシックなタンゴはサロンででも踊るかのような優雅でゆったりした気持ちになる。なんでこれが同じタンゴ?というくらい違うけど、アメリカでの教育やフランスでの指導があってこその彼の音楽なのかぁ。

発表当初あのお堅いアルゼンチンが受け入れないのが頷ける。伝統以外は認めない人たちに認めさせるのだから、そりゃあ相当な時間を要しただろう。

しかし誰あろう彼がタンゴを進化させたのだ。彼がいなかったらカルロス・ガルデルのタンゴだけで終わってしまってた、と思うと、改めて彼の音楽の世界ってすごいんだなあ。

それにしてもわかりづらいドキュメンタリーだったね。話をしているのがアストルだったりダニエルだったり、父って誰のことを指しているのか、今この独白は誰の声なのか、本当に注意してないとわからなくなった。
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