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ピアソラ 永遠のリベルタンゴのもちのレビュー・感想・評価

3.0

ピアソラの音楽哲学のようなものはそこそこに、家族の話がメイン。ピアソラのファン待望の映画……待って待って待って待って待って待って、あ、こんな感じなんだ…と若干肩すかし。もちろん演奏のシーンは素晴らしくてそれだけでも見る価値があるけど(見た事のない映像たくさんあった)、ドキュメンタリの作り方が、ピアソラ自身のドキュメンタリーなのか息子さんのドキュメンタリーなのか?っていう感じで、語りもどちらが喋っているのかが分かりづらく。そしてピアソラの貴重なインタビュー映像などちらほら差し込まれるんだけど、それをもっとたくさん流してほしかったなあ…演奏シーンも。

★3はすべて、まだ見た事のなかったピアソラの演奏シーンに。
もちろんボヘミアン・ラプソディのように感動させる作りにはしてほしくなかったしドキュメンタリ映画だなあって感じではあるけど、もう少し演奏のほうにフォーカスしてくれたら…。ただでさえ映像が販売されていないピアソラ、今後演奏シーンを盛りだくさんにしてほしかった!というのが正直な感想。

しかし「敵意を楽しんでいましたか?」という質問に「楽しんでいた」と答えた彼だったけど、どれだけ強ければそうできたんだろう。「音楽は考えて聞くもの。食事や談笑をしながら聞くものではない」というピアソラの言葉は、ピアソラの音楽は確かに何かをしながら聞いたりできないのでとても納得。今まで自伝などは読まずに居たけれど、音楽だけではなく彼の残した言葉なども読んでいってみようかな。
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