CHEBUNBUN

エンド・ゲーム 最期のあり方のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

2.5
【第91回アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞ノミネートのNetflix映画】
ドキュメンタリー映画というのは、どうしても事実は小説よりも奇なり系な作品が評価されがちだが、短編ドキュメンタリーでは、そういった特殊な内容に対して、小さな領域の小さなテーマに対して愚直に描いていき、作品のクオリティ云々関係なしに、社会へ問題提起しようとする傾向がある。本作は、正直テレビのちょっとした特番、それこそNHKで放送されるような内容だ。映画を観ている気にはならないし、長編ドキュメンタリー映画にありがちな超絶展開はありません。なので、面白くはない。視点もありきたりだ。

しかしながら、決して治ることがなく、健常者と同じように生活することができなくなった者が絶望の淵に立つのか?それとも少しでも希望をもって生活できるのかを決定づけるのが病院だということをしっかりと伝えます。病院生活に絶望し、生きる気力を無くす例や、座談会を通じて、新たな希望を見出すものを通じて、生きることが困難になったもの達に我々はどう手を差し伸べればいいのかを強制的に考えさせられます。ただ、患者と家族の構造が見えにくかっただけに、視点が甘いなと感じました。やはり、こういった障がいは家族の苦悩と病院の目線という関係があってこそなので、そこを掘り下げないとただサンプルを抽出しただけのドキュメンタリーというイメージが強くなってしまう。短編ドキュメンタリーの見方はよく分かりませんが、個人的に弱い映画だと感じてしまいました。
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