hoka

夜明けのhokaのレビュー・感想・評価

夜明け(2019年製作の映画)
2.8
光の抱えているものの形がはっきりとは見えなかった。

恐らくFラン大学に通って気の抜けたバイトで店長になじられてガス漏れがある事を知っていて、黙っていただけではない様な気がする。
殺意はなかったにしろ、彼が自覚的にガスの元栓を緩めたのではないだろうか?

想定よりも悪い結果となり、家族にも見放され、自死を試みるも救われた為、ズルズルと事故死した真一の代わりを続けるうち、自分の存在証明である運転免許が燃やされ自分の存在意義を見失う手前で踏みとどまったという事だろうか?

哲郎は過去の悔恨を補填する為に彼を迎え入れるが、それは結局利己的な代償行為に過ぎなかったという事だろう。

光はもう二十六歳なんだったら、実家から独立し、その街を離れ、いくらでも一人で生きてゆく手立ては見つけられたと思うので、あまり感情移入出来ないし、哲郎はその代償行為の中でも、また同じ過ちを繰り返しているのでこれもまた乗れない。

耐えきれなくなって告白して飛び出した後、立て直せる一歩という意味での夜明けだといい。
とは思う。
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