彦次郎

坊ちゃんの彦次郎のレビュー・感想・評価

坊ちゃん(1980年製作の映画)
3.7
学校の2階からも飛び降りる無鉄砲な江戸っ子気質の青年が四国の中学校数学教師となり義憤から同僚の「山嵐」と教頭の「赤シャツ」と取り巻きの美術教師の「野だいこ」を成敗する青春ドラマ。原作は文豪夏目漱石、タイトルが『坊つちやん』、『坊っちゃん』、『坊ちゃん』で混乱しそうですが本作は表記の通りです。
キャラクターデザインはモンキーパンチ氏という意外な人選ですが本作の雰囲気にあっておりました。坊っちゃん演じた西城秀樹氏の声もキャラに合っていたこともその一因でしょう。生徒に質問されて長時間頭を捻らせる問題を解く数学教師というのも珍しいでしょうがそれだけ若いということを視聴者に伝えてくれています。
声といえば山嵐が銭形警部、赤シャツがボヤッキー、野だいこが目玉のオヤジ、狸が波平、うらなりがルパン三世、清がフネ、チビ(中学の生徒)が孫悟空と超豪華な布陣になっていますのでその方面でも評価されそうです。またアニメでは生徒たちとの絡みも多く割かれていました。
赤シャツが英語教師「うらなり」の婚約者マドンナに横恋慕し左遷させたことが義憤への原因(勿論赤シャツは他にもひどいことをしている)ですが靡いたマドンナのほうにはお咎めなし。作品のヒロインとしては珍しく主人公との接点は薄い人ですが超絶美人とあって登場人物というよりは美女という概念と化している感もあります。
たぶん赤シャツ一派はノウノウとその後も人生をエンジョイしているので釈然としませんが、坊っちゃんは早々にブラック環境に見切りをつけて1番自分にとって大事なものが何かを再認識するところは現代(2023年8月)にも通じていると思いました。
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