こぅ

ゼイ・ウォント・フォーゲットのこぅのレビュー・感想・評価

4.5
「南北戦争の再開だ
南部の偏見だと北部の新聞が騒いでる」

邦題: 彼らは忘れない

【仮面の米国】、【悪い種子(たね)】の職人、マーヴィン・ルロイ監督による、【社会派・サスペンス】の隠れた佳作認定。


北部人への 遺恨 が残る米南部の町、バクストン校の地下で女学生、メアリ(ラナ・ターナー*)が殺され、教師の北部人、ロバート(エドワード・ノリス)が犯人とされる…。

メアリは、ロバート先生に好意を持っていた。


捜査を指揮したのは、時期知事候補 の野心家、アンディ検事(クロード・レインズ)で、主役の貫禄を見せつける。

夫を一途に信じるのが、妻のシビル(グロリア・ディクソン)で、静かな熱さも見逃せない。

もう1人の容疑者、黒人管理人タンプ(クリントン・ローズモンド)もオドオドが巧い。

テンポはゆっくり丁寧。

不条理な状況証拠、
犯人の真偽よりも南と北の意地の戦い。
【南北戦争を比喩】。
偏見。
これまた 群衆の恐ろしさ が描かれている。

終盤は、20分強に及ぶ【法廷対決】に目が離せない。

大袈裟にも 世紀の一戦 の如く描かれているのは、実に【映画的】だ。
盛り上げる為なら 容疑者と加害者の母親 まで利用するマスコミ。

誰が犯人⁈というテーマのサスペンスでは無いが、しっかり観入るサスペンス映画として面白い。

殺人事件自体は、アバウトに描かれ、しっかり明示しないでもメッセージはしっかりと観る者に伝える‼︎
これは モヤッ とは次元が違う狙い。


ラスト、
ズシン‼︎とくる、彼女の名セリフでKOパンチ‼︎
所謂 アメリカ的 で終わらせていない‼︎

エンタメ且つメッセージ性を評価。
流石は、マーヴィン監督‼︎


*注記
*女学生、クレア役のラナ(17)のデビュー作で、早めの退場ながらも 鮮烈な印象 を残した。0.1加点。
こぅ

こぅ