「南北戦争の再開だ
南部の偏見だと北部の新聞が騒いでる」
邦題: 彼らは忘れない
【仮面の米国】、【悪い種子(たね)】の職人、マーヴィン・ルロイ監督による、【社会派・サスペンス】の隠れた佳作認定。
北部人への 遺恨 が残る米南部の町、バクストン校の地下で女学生、メアリ(ラナ・ターナー*)が殺され、教師の北部人、ロバート(エドワード・ノリス)が犯人とされる…。
メアリは、ロバート先生に好意を持っていた。
捜査を指揮したのは、時期知事候補 の野心家、アンディ検事(クロード・レインズ)で、主役の貫禄を見せつける。
夫を一途に信じるのが、妻のシビル(グロリア・ディクソン)で、静かな熱さも見逃せない。
もう1人の容疑者、黒人管理人タンプ(クリントン・ローズモンド)もオドオドが巧い。
テンポはゆっくり丁寧。
不条理な状況証拠、
犯人の真偽よりも南と北の意地の戦い。
【南北戦争を比喩】。
偏見。
これまた 群衆の恐ろしさ が描かれている。
終盤は、20分強に及ぶ【法廷対決】に目が離せない。
↑
大袈裟にも 世紀の一戦 の如く描かれているのは、実に【映画的】だ。
盛り上げる為なら 容疑者と加害者の母親 まで利用するマスコミ。
↓
誰が犯人⁈というテーマのサスペンスでは無いが、しっかり観入るサスペンス映画として面白い。
殺人事件自体は、アバウトに描かれ、しっかり明示しないでもメッセージはしっかりと観る者に伝える‼︎
これは モヤッ とは次元が違う狙い。
ラスト、
ズシン‼︎とくる、彼女の名セリフでKOパンチ‼︎
所謂 アメリカ的 で終わらせていない‼︎
エンタメ且つメッセージ性を評価。
流石は、マーヴィン監督‼︎
*注記
*女学生、クレア役のラナ(17)のデビュー作で、早めの退場ながらも 鮮烈な印象 を残した。0.1加点。