このレビューはネタバレを含みます
分からなくとも、掴めなくとも。
街灯の下、日々を過ごす二人の青年。繰り返される日々は鬱屈と恐怖に満ちている。彼らはどこかに行けるのだろうか。
凄いな、本当に。言うまでもなく、分かったこと、理解出来たことの方が圧倒的に少ない。特有の環境にいるわけでも、特別な知識があるわけでもない。それでも、引っ掛かったものは確かにあった。一つの作品として、もの凄く面白かった。
舞台としてのカメラワークから人物へのアップへと切り替える手法、物語の中のユーモアとシリアスの使い分けなど素晴らしい点は幾つもあったが、何よりそれらを存分に出し切った役者が素晴らしかったように思う。
自らをマスターと名乗る謎の人物。彼の言動や考え、思想を描ききった意図とは一体どのようなものだったのだろうか。何かあるかもしれない、同監督の他作品も漁ってみよう。
