有名過ぎる実在した昭和の事件『三億円事件』に着想を得て、青春ドラマとして昇華したアイディアが良かったです。
宮崎あおい、その実兄の宮崎将、そして小出恵介を揃える、意外と実力派若手が演技で魅せてくれた。
三億円事件について詳しくなくてもオールオッケー。
むしろ事件はおまけってくらいに恋愛ドラマに比重が傾いている。
この頃って、静かなる恋路を描いた作品が多くて、邦画ならではの素朴な雰囲気が凄く好きだった。
確か高校生くらいに観た作品で、多感な時期だったからこういう大人と子どもの成長の狭間で体験する感情に揺さぶられたのを思い出す。
映画としては地味だが、味があって好き。
それにしても宮崎あおいは凄い。
壊れやすそうに見えて芯のある女性を演じる天才だと思う。
歳月が過ぎ、彼女がベテランになってきたからこそ若い頃の作品が再評価されてくるんだと思います。