sabo

Diner ダイナーのsaboのレビュー・感想・評価

Diner ダイナー(2019年製作の映画)
4.6
鑑賞日2022/12/14

オオバカナコ(大場加奈子)の日々は暗く平坦だった。アルバイトと自宅の往復を繰り返す単純だけど安全な毎日。唯一の楽しみは料理を作ること。
幼少期に母親に置いていかれた加奈子は極度の人間不信に陥り、とうとう自分の事も信じられなくなっていた。
この世界に私の居場所なんて無い。
心の底に極限の不安を抱えていた、そんな矢先、アルバイト中に奇妙な集団と出会う。
それはメキシコのグアナファトから死者の日の祝祭を報せる一団だった。その鮮やかな極彩色に魅入られた加奈子はグアナファトへ行くことを決意。旅費確保のため普通なら絶対に手を出さない怪しげなバイトに…
気がつくと加奈子は暗い部屋の中に居た。そこには一人の男がいた。男の名はボンベロ、殺し屋専用のレストラン『Diner(ダイナー)』のシェフで加奈子は組織のボスによりこのダイナーにウェイトレスとして売られたのだった。
いつ殺されるかわからない恐怖と戦いながらも加奈子は、店に来る様々な殺し屋たちと出会いやがて一つの大きな決意を抱くが……

※本作は可能な限り予備知識無しでの鑑賞をオススメします❗(*-ω人)✨

❗感想(ネタバレ含む)❗
(・∀・)こばちわ!今回はダイナーです♪狙ったわけでは無かったのですがたまたま蜷川実花2戦目と相成りますた(笑、が、前回のxxxHOLiCもあって正直期待薄で映像美だけでも味わうか、、くらいの気持ちだったのですが…
何ですか?!これは?!滅茶苦茶まるいでは無いですかwww
好き♡オープニングから丸っと好き(*´艸`*)♡
この映画なんでこんな酷評されてるのかサボにはサッパリ分からんです。
自分の居場所も生きる意味も見失ってしまった加奈子が自分の目の前にリアルな“死”を突き付けられて初めて必死で生きたいと思った。
この作品を最初に見たいと思ったのは“殺し屋×レストラン”という突飛な設定、なんで?!(゚∀゚)というすごい違和感から見てみたくなったのですが、実際見てみたら違和感の正体が分かった気がするです。殺し屋=命を奪うモノ、食事を与えるという行為=命を生かすモノ、ボンベロは奪ったり与えたりというまるで二律背反の具現化みたいな存在です。この相反する2つのテーマが相容れるのか?が違和感の正体っぽい。
でも藤原竜也ボンベロは完璧にこの2つを違和感無く演じきっていて流石なのです✨多分これ藤原竜也じゃなきゃ駄目なやつですね(*´ェ`*)
そしてキョーレツな殺し屋の面々。
スキンのシーンは涙なくして見れないサボなのです。・゚・(ノД`)・゚・。
キッドのシーンも良きです。まさに加奈子の生存本能を煽るかのような胸糞な台詞の連続。
でも加奈子もキッドに追い詰められてようやく自分が“生きたい”と願ってる気持ちと向き合わざるを得なくなったんじゃないでしょか。。
そうなんですよね。。つらくても、人はみんな、生きてかなけゃならんのです(๑•̀ㅂ•́)و✧
そしてラストシーンですが、きっと死者の日だから死者の国から会いに来てくれたんでしょうね( ˘ω˘)願いが叶わない事が、生きる希望になることだってある✨成る程、確かに。
あ、劇伴も最高でした♪
早速AmazonPrimemusicで楽しんでおります♪
加奈子のテーマソング、ドヴォルザークの交響曲第9番『新世界より』第2楽章。そして物語ラストは第4楽章のオリジナルアレンジからラストは原曲のように加奈子の歌う第2楽章の主旋律へと還っていく…
この曲は新天地アメリカへ旅立ったドヴォルザークが故郷であるボヘミアへ向けて創り上げた作品。
加奈子もまた新しい世界、新しい人生へ旅立って、そしてボンベロのいる故郷へ向けて想いを捧げ続ける、まさにピッタリな選曲です♪

さてさて、長々でした。皆様は今日は何を食べますか?何を食べましたか?人は毎日『食べる』。それは全人類共通のささやかな日々の幸せだと思う食いしん坊なサボです。
そんな当たり前の幸せに感謝しつつ、是非一度未見の方は本作を、超オススメです☆


ストーリー:4.8
音   楽:4.5
キ ャ ス ト :4.5
ビジュアル:4.7
sabo

sabo