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Diner ダイナーのバロウズのレビュー・感想・評価

Diner ダイナー(2019年製作の映画)
1.8
平山夢明著の原作小説は非常に面白かったです。殺し屋ばかりが集うダイナーに売られた主人公が、生き延びるために自らの知恵を振り絞る。その中で殺し屋たちの生き様を目撃するうちに自身も成長していく秀作でした。

蜷川実花監督、藤原竜也出演の時点で一抹の不安を感じつつも、評価はそこまで悪くないようだったので鑑賞。
感想としては、どうしてこうなった…と思わざるを得ない出来でした。

まず原作小説がグロ描写満載なのでG指定(全年齢対象)の今作ではそもそも残酷描写は期待していなかったのですが、それを差し引いても納得いかない部分が多いです。
登場人物が拷問に遭うくだりを大幅にカットしたせいで主人公であるオオバカナコの人間性が薄っぺらく感じられるし、藤原竜也のオーバーな演技も相変わらず空回りしている。
登場人物が大袈裟に名前付きで紹介される演出など絶妙にダサい。

血飛沫を桜の花びらで表現したりと随所に魅せるところはありましたが、とりあえず赤い照明使っときゃいいんだろみたいな蜷川実花の悪い癖が目立ってる。
何より原作小説の重要なファクターである「炎眉」と「チンパンの小便」が完全に削ぎ落とされていたのが大いに不満。
そしてクライマックス、主人公とボンベロが〇〇しちゃダメだろ…。

原作ファンならば見る価値はありません。怒りすら覚えると思います。逆に言うと原作を知らない人ならそれなりに楽しく観れるオシャレなエンタメ作品に仕上がっているんじゃないでしょうか。少なくともヘルタースケルターなんかよりは上。
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