アキラナウェイ

レッド・ノーティスのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

レッド・ノーティス(2021年製作の映画)
3.0
巨額の製作費と豪華なキャスティングをふんだんに使いまくった超ド級エンタメ作品。

どうだ!!
楽しいだろう!!
どうだ!!
面白いだろう!!
と明け透けに迫られているかのよう。

いや、楽しいよ?面白いよ?
でもだからと言って、これが世紀の大傑作かというと違う気がする。その辺りについては後述する。

国際手配中の美術品泥棒ノーラン・ブース(ライアン・レイノルズ)が狙うは、"クレオパトラの卵"という3つの秘宝。彼を追うFBI特別捜査官のハートリー(ドウェイン・ジョンソン)。そして、彼らを惑わせる世界一の美術品泥棒、ビショップ(ガル・ガドット)。繰り広げられる三つ巴の騙し合い。果たして最後に笑うのは—— ?

規格外のマッスル俳優、ロック様。
早口、軽口、台詞回しが
絶妙なライアン・レイノルズ。
何を着せてもゴージャスな
美の女神ガル・ガドット。

主演クラスの御三方が揃うと、流石に画面が賑やかで、映える映える。

泥棒とFBIが手を組み、秘宝を探し出すが、その度に美女が横取りしていく不二子ちゃんスタイルのストーリー。

アクションも超ド派手。

RPGを打ち込まれて万事休すと思いきや、ヘリの扉でスルーさせるのとか凄い。

終盤にはエド・シーランのおまけ付き。

何から何まで絶対面白くなる様に作られている。

しかし、だ。

これを面白いと言っていいんだろうか?

ロック様もレイノルズもガル様も皆んな大好きだけど、ロック様はFBIきっての美術犯罪のプロファイラーに見えない(劇中で同様のツッコミあり)。こんな巨体のFBI捜査官いるか?何かと目立って捜査にならんでしょうよ。

3人揃ってのオーラは凄いけど、リアリティを追求するなら、ロック様はチェンジだ。

3人がどれだけ激しいバトルを繰り広げても、絶対誰も命を落としたりしなさそうな安心感。誰も血を流さず、怪我もしない。全てが予定調和で進んでいく行儀の良さ。

ローマ、バリ、バレンシア、ロシア、アルゼンチンと目まぐるしく舞台が移り変わっていくけど、最後のアルゼンチンのジャングルが問題。光量の不自然さからスタジオセット撮影とモロわかり。

全世界を股にかけ…
……ていない!!

そりゃこんなに忙しいスター達がわざわざ各国でロケ撮影する訳ないよね。わかっているよ。わかっているけど、全然本物に見えないジャングルのチープさに一気に冷めた。

監督は、「なんちゃって家族」、「スカイスクレイパー」のローソン・マーシャル・サーバー。

マーティン・スコセッシがMARVEL作品を「映画じゃない。人間が他者の感情や心に訴えかけようとするものではなく、謂わばテーマパーク」といった主旨の発言をしたけれど、彼が云うテーマパーク作品がありましたよ。ここに。