おかみにゃん

記者たち~衝撃と畏怖の真実~のおかみにゃんのレビュー・感想・評価

5.0
 911後の2002年、ブッシュは「大量破壊兵器保持」を理由にイラク侵攻を正当化させようとしていた。大手のマスコミがこぞって政府支持の記事を出す中、弱小新聞社「ナイト・リッダー」だけは政府の捏造、情報操作という事実を突き止め、真実の記事を配信する。
その記者の姿を描くノンフィクション映画。
この映画の日本公開は2019年だが、先日亡くなったパウエル元国務長官の最大の汚点と言われているイラク攻撃支持を訴える国連演説に焦点が当たっていたこともあり、とても興味深い内容だった。実際のニュース映像も当時よりインパクトを感じた。

当時上院議員だったバイデンはじめ、野党議員も攻撃支持を表明し、多数のマスコミも政府からの情報に疑問を持たず、ごく普通の青年も志願兵になるなど、当時のアメリカの愛国心の暴走ぶりがとても恐ろしい。
そんな中「私たちは子供たちを戦争に送りもうとする者には味方しない」と信念を曲げないマスコミも存在すること、誤った情報を流したことを謝罪したニューヨークタイムズの残された良心に、民主主義の救いを感じることができた。
日本の報道関係者にももっと観て欲しいもの。○ン○イ新聞社とか、安倍政権の広報担当と揶揄された田○史○氏とか…