メタル猫

記者たち~衝撃と畏怖の真実~のメタル猫のレビュー・感想・評価

4.7
米国のイラク侵攻("イラク戦争"とも)。この際の大義名分として、イラクが大量破壊兵器を隠し持っているので、それを廃棄させると言う事が有ったことは、今では誰もが知って居る事実で、結果的には、イラクは大量破壊兵器を隠し持っては居なかったと言う事も、今では誰もが知って居る事実ですよね。

しかし、当時、米国国内は"愛国心"に溢れていて、大手主要メディアの殆んどが、政府から伝えられる情報を鵜呑みにして、誤情報に基づいて動いて行く政府を、結果的に後押ししてしまった…と言う時期でしたよね。
本作の最後にも、当時、NYタイムズの有名な記者だったジュディス・ミラーがインタビューに対して「政府の情報を誰も疑わないわ」と返答している場面も…(個人的には、この発言は、真のジャーナリストが発すべき言葉では無いと思いますが…)

この作品は、そんな時期に、真実を追及し続けた、大手では無い新聞社の物語です。

いわゆる "社会派作品" とか "調査報道もの" と言われるジャンルですが、過去作でも超有名な『大統領の陰謀』や『JFK』或いは『ゾディアック』あたりは、ミステリー色が濃い作品で、『ペンタゴン・ペーパーズ』や『スポットライト 世紀のスクープ』あたりは、ドラマ性の有る作品…で、本作は、後者になると思いますが、必要以上に重苦しくなることも無く、かと言って、軽すぎることも無く、あの時、誰が、どういう状況で、どういう情報に基づいて、イラク侵攻に踏み切る事になったのかと言う事も分かる様に仕上げて居る辺りが個人的にはポイント高いっすね☺️

あと、本作を観た後に、マット・デイモン主演で、イラク戦争を題材に描いたアクション作品『グリーン・ゾーン』(2010作品)を観ると、なるほど💡…と、なると思います…興味の有る方で未見の方は是非😊

と言うコトで、題材も作風も、大好物な1本でした🙆
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