ナツミオ

記者たち~衝撃と畏怖の真実~のナツミオのレビュー・感想・評価

3.9
WOWOW録画鑑賞
実話の映画化

2002年アメリカ・ブッシュ(子)政権。前年の同時多発テロより、政権はテロリストのバックにイラクが関与していると疑い、大量破壊兵器を入手の情報より、開戦プロパガンダを展開。
国民も愛国心を煽られ、大手マスメディアも政府の情報操作を基にイラクとの開戦論調に傾いていく。
中堅新聞社ナイト・リッダーのワシントンD.C.支局の記者達は独自の取材より、イラクの関与はなく、大量破壊兵器の事実がないまま政府開戦派が情報操作している事実を掴む。
大手のニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト紙は政府論調に同調する中、ナイト・リッダー紙は、違う事実を掲載するが、翌年3月米国はイラクとの開戦「衝撃と畏怖作戦」に踏み切る。

取材を通じて真実に迫っていく記者達に、ウディ・ハレルソン、ジェームズ・マーズデンが演じる社会サスペンス。

政府の情報操作により世論が開戦に同調していく過程は、戦前の日本国内を想起させる。
また、政府の情報操作も現在の日本政府の嘘、不利にならない情報は出さないなど、ニュースを頭から信じない吟味することの大切さ、裏を読む力を磨く大切さを感じる。
同様に近年のフェイク・ニュースも真贋を見極める力が大切だなと思う。

先日観た、「バイス」はまさに反対の政権裏側チェイニー副大統領の影の大統領としての暗躍や、「ペンタゴン・ペイパー」は、ベトナム戦争時の政府か隠す不都合な真実を暴く新聞社の奮闘が描かれている。
興味のある方は、本作の後、バイスを観る方が面白いと思います。

硬い話はここまで
記者の妻役をミラ・ジョボヴィッチ(ヨボヴィッチ)が演じているが、鑑賞後まで気づきませんでした。綺麗な女優さんとしか認識していませんでした。

なお、編集長は監督ロブ・ライナー自身が出演しています。
予定していたアレック・ボールドウィンが降板したための代役だそうですが、いいセリフがいくつかありますので、観てみてください。
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