【過信】
「政府の失敗は、兵士が償う」
9.11。あの日のことは鮮明に覚えている。
2機目が追突するシーンはリアルタイムで観た。去年実際にNYにいって9.11メモリアルミュージアムを見学した。
ロブライナー監督作。
アメリカがイラクに侵攻するにあたって各社が政府からの情報をそのまま流す一方で、ナイト・リッダー社だけ真実を追っていた…
記者たちの奮闘を描く映画。実話ベースなのでほぼ全くといっていいほど物語の起伏はない。
実際のブッシュの映像や国連の映像等がかなり使用されており、当時のアメリカの空気感を知れる。アメリカ全土の国民の愛国の精神が高まっていくという一体感で「イラクには大量破壊兵器という確たる証拠がある→だから倒す必要がある」という政府の情報を鵜呑みにし盲目的に戦争を実施した結果が描かれる。
実際はこの「大量破壊兵器を持っている」という確たる証拠がないという点を意識すべきだけど、国民はきっと「ある」と思いたかった側面が強いのだと思う。どこかに9.11の犯人を作らなければきっと納得ができなかったのだ。
劇中には実際に戦争に行くことになった若者とその末路についても補足的に入れられているが、この人物が積極的に「志願」して兵になっている点から、その末路に同情しにくくなってしまう部分は気になった。
勉強にはなるが、かなり淡白な映画だと思う。
ジョン・ウォルコット…リッダー社のボスのようだけど凄まじい人だな。
※あとミラジョボさんがアクション以外の映画に久しぶりに出てるのを観たのと、ウディハレルソンがゾンビランドのイメージ強すぎちゃってこんな真面目な演技…プププってなる。
2020.5.3