りょう

小さな恋のうたのりょうのネタバレレビュー・内容・結末

小さな恋のうた(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

山田杏奈が3ピースバンドでギター弾きながら歌う映画だって知ってたらもっと早く速攻観てましたすいません好きになるの遅すぎました最高です。

正直、冒頭30分ダサすぎて脱落しようと思ってました。

自分、メロコアブームだった2000年前後、当時高校生で、3ピースバンドやってました。もちろんハイスタとかモンパチとかその辺りは必修科目として聴いてたし、コピーもしてました。3ピースバンドって好きなんです、一人一人がやれること精一杯やっている感じが。

なので、この作品ではこのバンドのオリジナル曲としての「Don't worry〜」「あなたに」なんですが、本来3ピースがやる曲を4人で演奏しているので、どうしてもダサく見えちゃうんです…。しかもこの後の展開が、ありがちな記憶すっぽり抜け落ち系だったので…。

ところがです、ところがですよ、ここから巻き返しが始まります。実は死んだのはボーカルの亮多ではなく、ギターの慎司だった。轢き逃げしたのはどうやらアメリカ軍の人。巻き起こる抗議運動の最中、慎司の妹の舞が兄の作りかけ曲を完成させようと動き出します。生前、慎司がアメリカ軍基地のフェンス越しに恋をしていたリサへ、兄の気持ちを伝えるためにも、学園祭のライブにリサを呼ぼうとするが…。

屋上の3人の「小さな恋のうた」、めちゃくちゃかっこよかったです。女性が入ってる3ピースバンドって、これまた好きです。山田杏奈はこの映画のためにギターを練習したのだろうか、それとも前々から弾けたのだろうか。この弾き方、佇まいが、女子高生バンドのギター弾いてる子って感じですごいよかったです。

ブランコがあれば基地の外だって中だってみんな遊ぶのと一緒で、音楽もフェンス通り抜けて人と人は繋がれる。攻撃ができない日本を守るためにあるアメリカ基地、今も終わらないウクライナとロシアの戦争、飛んでくる北朝鮮のミサイル、中国の台湾侵攻の緊張感、こんなものが無くなってみんな音楽やブランコで繋がれればいいのに。

初めてアンプに繋げて音を出した時の山田杏奈の表情が素晴らしかった。あと父親にふざけんな、のところも良かったし、最後のライブでのTシャツと髪の毛の感じもよかったです。
だいぶ気持ち悪い取り乱した感想になっちゃった。とにかくよかったです。
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