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RBG 最強の85才のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

RBG 最強の85才(2018年製作の映画)
3.5
【本年度アカデミー賞最有力】
夏休みシーズンにも関わらず、ヒットを飛ばし、”Won't You Be My Neighbor?”と並んでアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネート確実と言われている作品『RBG』を観た。

RBGとは、ルース・ベイダー・ギンズバーグというアメリカ合衆国最高裁判所3人の女性判事の一人だ。彼女はアメリカではポップアイコンとしてコラ写真が作られたり、グッズが販売されてたりする程の知名度で、ドナルド・トランプが大統領戦に出馬した際にはリベラル派代表として激しく彼をバッシングした。

本作は彼女の軌跡を辿るドキュメンタリーであり、ギンズバーグのことを知らない私でも彼女のことがよく分かる入門書映画となっている。

彼女は、公民権運動が激しさを増していた時代に、大学へ入学。法律の勉強をしていた。しかし、当時は男尊女卑社会。周りには男しかいない。それでも彼女は男に負けんじと勉強した。周りでは『ラビング』のような理不尽な差別が横行していた。また、女性に対する勤労格差も激しく、彼女は問題意識を持っていた。やがてワシントン特別地区連邦高裁判事のキャリアを経て最高裁判事に就任する。

最高裁判事就任時の彼女の立ち位置は、若干リベラル寄りの中立の立場だったが、段々とリベラル派の色が強くなった。それは、最高裁判事として仕事していくなかで、男と激しく議論する必要があり、改めて女性の立場の低さを痛感したからだ。

本作は、ドキュメンタリーとしてはオーソドックス王道のキャリアものなので、アカデミー賞長編ドキュメンタリーを獲るとなると微妙な作品なのだが、今アメリカが必要としている作品であることはよく分かった。

法学部の学生にオススメしたい作品でした。
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