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ヴァンサンへの手紙の優のレビュー・感想・評価

ヴァンサンへの手紙(2015年製作の映画)
3.3
序盤はろう者・聴覚障害児を持つ親御さん・コミュニティなど様々な映像が切り替わり、取っ付きづらかったけれど、中盤からはその形式にも慣れてきたからかとても良かった。ルールをねじ曲げてでもマイノリティに就業資格を認めない話は『Suffragette』に通じるし、障害児を産んだ女性に不妊手術を施すなど優性思想に絡んだ話もあった…。
横浜で開かれた上映会で観たので、監督とのトークショーも聴くことができました。監督はフランスの聴者で、フランス語(音声)を日本語(音声)に変える通訳。それを更に手話に変える通訳。その通訳の違いが面白かった。音声同士の場合はメモとっているけれど、手話だと相手とメモ紙を同時には見れないこともあって、即時通訳にならざるをえないな、とか。
手話通訳の場合、レティシア監督が話し始めると「フランス語」(手形がF)と表出したり、進行の方が手話し始めると目線を向けるなど、単に通訳者するだけではなくそのような「誘導」も必要なんだなぁと。
フランス語の通訳の方が「(インテグレーションしている)聴覚障害児は、大人の聴者に会ったことない」と言ったとき、手話通訳の方が少し止めて「大人の聴覚障害者」ですよねと確認していた。連携プレイ!!!
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