猫マッチョ

孤狼の血 LEVEL2の猫マッチョのレビュー・感想・評価

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
5.0
2021年度お気に入り映画館賞

『自分が仕事が出来ると勘違いしてしまった松坂桃李が鈴木亮平にボコボコにされる話』
これは前作からレベルが下がったRevel2だ。
前作とストーリーの入りが同じだが、展開や世界観が違う。

level1では周囲の人間を上手に動かしすぎてる役所広司だったり、ヤクザがバカでグレている人しかいなかったり、汚名挽回が他人任せだったり(そもそも本当は良い人って展開は名誉を捨ててる人には不必要だと思う)と良い部分がCABINの自販機の風景と死体しか無かったが今回は違う。

ヤクザも遺影に話しかける極妻が登場した時から、前作と人物描写が違うと思わせる。今作では色々な極道が登場してバリエーション豊かだ。その中でも際立つのが鈴木亮平である。

ただ、鈴木亮平が主義、思想を持ってない悪人である立場が良かったが、人物の過去を出すと言い訳になってしまうのが残念だ。
『本当のこの人は違う』って巷でも良く聞くが人物に嘘も本当も無いと思うが。
言い訳にしたところで人物の行動が変わるでもなくて、弁明にしか思えない。
そもそも、国際テロリストの理由を理解した処で行為に赦しがある訳ではないだろう。


また、何十年と同じ仕事を積み重ねたプロフェッショナルな役所広司だったから、ご都合主義な展開だったと思わせる松坂桃李の裏の世界をナメてる感じが良く出来ている。そして、村上虹郎のダメな兄貴を持った子分な立場も良い。
見様見真似で上手く展開しているのは、単なるラッキーなだけであって実力ではない。逆風な立場に置かれたときに真価が問われるのだが、逆風もひと時だけ吹くわけではない。運任せだったからこそ、切り札が裏目裏目と逆境の立場に立たされて、巻き添えで自分の味方も失ってオロオロする松坂桃李。
善悪すら持たなくて即決断、即行動する鈴木亮平。
いつかはBIGになってやると兄貴を信じたが、若さゆえに見る目が無かった村上虹郎。
お水の商売のママをしているのに貧乏なのか、鳥小屋の隣で生活している西野七瀬。


ラストのクライマックスはアメリカ映画に負けないエンタメになっていて大画面で大音量で観てこそ楽しめる映画体験になっている。
こんな映画があるから映画館で観る価値が出てくるんだよな。
お家映画だと近所迷惑だろう。
猫マッチョ

猫マッチョ