観終わった後に思ったのは、①やっぱり役所広司て凄い役者さんだってことと、②上林を演じる鈴木亮平のキャラクターでこの映画は牽引されたということ。
前作の大上と日岡の関係は今作は日岡とチン太の関係にシフトしていったのだけど、チン太に対する日岡の対応が後手後手というか、何なら最終的には間に合わなくて終盤に繋がるからあんまり日岡の能力の見せ場がない所感。前作で標準語だったのに今作では「ミニ大上」として広島弁になった日岡は偉大なる先輩をトレースしているのだけど、大上みたいなダークになり切れないのが中途半端で少し残念だった。
他方で、今作のジョーカーとして場を混沌の渦に陥れた上林役の鈴木亮平はきっちり仕上げてきた。法治国家の枠を笑い飛ばす様な容赦ない暴力に次ぐ暴力で、敵でも味方でも全員排除してく様は現実離れしすぎて怖かった。
ちょっと最後の戦い方がフィクション的過ぎて「ん？」と思うことはあったけど、これはエンタメ作品なんだと考え直して見たら楽しめた。
