こつぶライダー

孤狼の血 LEVEL2のこつぶライダーのレビュー・感想・評価

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
4.5
待ちに待った続編。
Netflixでようやく配信開始。
早速鑑賞したが、やはりこのシリーズは凄い。

大上亡き後、日岡が広島のヤクザ抗争を止めていた。
松坂桃李は、風貌からして刑事というよりヤクザそのもの。体格はヒョロいが様になっている。

前作で圧巻だった役所広司さん。
彼なきストーリーに不安もあったが、それを払拭するのが鈴木亮平!
「ありゃ伝説になるっしょ!!」
ってくらいなまでの演技にやられた。
いや〜最高のヴィランでしたよ。

彼が演じた上林という男、とにかくヤバいや奴。
出所するなり、留置所で自分をいたぶっていた看守の妹を強姦し、目玉をくり抜いて殺害。
それだけに収まらず、組の親父亡き後、復讐をせず手打ちしてた味方親分たちを殺害。力ずくで組の実験を握る。
また、親父殺しの真相を暴き、日岡を追い込んでいく。

「自分には死神がついており、死にたくても簡単には死ぬことが出来ない」

常軌を逸した彼の言動の数々に目を奪われた。
まさに悪のカリスマ。

あの親分殺害の描写や、潜入犯の洗い出し等、狂気の沙汰としか言いようがない働きに声を失った……。


鈴木亮平のみならず、相変わらず豪華な俳優陣の形成で、ドラマをより濃く感じさせていた。
潜入捜査に踏み込むチンタ役の村上虹郎も渋かった。
現状から抜け出したい一心で彼の中での仁義を尽くそうとした。今作の影の主人公。

ただ、姉役の西野七瀬は、、、正直う〜んな感じ。
はじめからセリフ棒読みが気になっていたけど、泣きの演技でもう厳しかった。。。


物語は割と既定路線で動く。
前作のような組同士・警察と組とのピリつきは薄いものの、とことん日岡と上林の心理に迫っていくのは良かった。
また、俳優さんの熱のある演技と脚本によって非常に味わい深い作品に仕上がった。

ラストに近づくに連れて、日岡の追い込まれ方がえぐくなる。
そっから彼なりの正義を貫く美学も感じた。

これ、原作にはない完全オリジナルみたいね。白石監督は力強さ発揮したと思う。

少々気になったのはラスト。
うん、、、分かりづらい!
狼って、タイトルにも付いてるし、日岡の持ってるジッポにも描かれており、要所要所で出てくるからポイントにはなっていたものの、そこから具体的に読み解くのは自分には難しかったなぁ。
これが大上さん絡みだとしたら、回想シーンにも出てこない(制作上の都合?)ので解釈としてはスムーズに思えないし、やはり日岡自身のことか?でもハッキリしないよなぁ。


何はともあれ、ヤクザものへの関心が自分の中で強まったキッカケ的な作品なので、個人的には好きな作品です。
続編もまた出るらしいと聞いたので、今から楽しみ!
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