このレビューはネタバレを含みます
第1に孤狼の血の第2話と思ってみるならそれは大間違い。前回作から話の繋がりはあるものの、話の構成や主人公の人格などが前作とは異なる。シリーズものは大体が最初の作品のインパクトを越えれないが、本作はある意味別の映画を見ているような感覚がありつつ、前回のようなストーリーの中での裏切りもあり、見ていて飽きなかった。
そして本作で出てきた"狼"というワード。セリフとして"日本に狼はおらんのんよの。狼は凶暴になりすぎて手がつけられなくなったから人間が根絶やしにした"つまりこの狼とは大上と日岡のことを指しており、どちらも力を持ちすぎたあまり理不尽に命を狙われることを暗喩している。日岡は大上の死後、そのポジションを継いで、ヤクザをうまく利用しながら治安を収めていた。しかしそれをよく思わない上層部が日岡の失墜を狙い、いろいろな手段を使い日岡を追い詰めるというストーリー展開だが、これはまさにシリーズ1の大上と日岡が対の関係になっている。つまりシリーズ1では大上が狼で余計な情報を握る大上を上層部は潰したかったのに対し、シリーズ2では日岡が狼で治安の安定の全ての鍵を握った日岡を上層部が潰したかった。そのためにロートルの警官を日岡にスパイとして潜入させたが、これはまさにシリーズ1の日岡の監視役というポジションと対になっている。立場が変われば正義が変わるという分かりやすいメッセージを伝えながらも、構造の中では誰しもが無抵抗だというメッセージも暗に伝えているのかもしれない。
展開 関心度 speed 0.8
おもしろさ fun 0.8
設定 構成 story 0.9
映像音楽 art 0.8
好みlike 0.8
