王冠と霜月いつか

孤狼の血 LEVEL2の王冠と霜月いつかのネタバレレビュー・内容・結末

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

先日にレビューを上げております、白石和彌監督の“碁盤斬り”を観に行く前に、予習として鑑賞致しました。

沢山、思うところはあるのですが、旧作でもありますので、思わず唸った設定、シークエンスに対してのみのレビューと致します。

さて。

SP 警視庁警備部警護課第四係というドラマを御覧になった事がありますか?

2007年にフジテレビ系で放送されていた岡田准一クン主演のセキュリティポリス=SP の死闘を描いた傑作ドラマです。勿論、岡田准一クン達SP の 活躍を見せるストーリーなのですが、劇中で井上薫の同期の公安部所属の野間口徹さん演じる田中一郎というキャラを筆頭とした公安部という特殊な警察官を描いたシーンが好きでして。

例えば、田中一郎/野間口徹さんが仕事が終わって帰宅したと思ったら、父親が上司、妻が同僚、つまり家庭まるごと公安部がなりきっているといったシーンがあったりしまして…その後も全く関係ない別のドラマで野間口徹さんがイタリアンレストランのオーナー役を演じられている時も、ついつい、“という設定で”張り込みやってんのね?とか突っ込んだりなんかして(笑)

今作でも、日岡とコンビを組むことになった定年間近のロートルと自らを卑下している中村梅雀さん演じる瀬島というベテラン刑事…最初は、戒名(捜査本部に掛けられる事件名の看板)と記念写真を撮って喜んでいるような呑気なオッチャンだと思っていたら、何かと日岡に世話を焼いてきて、家庭に招いて宮崎美子さん演じる妻と食事を共にして徐々に付き合いが親密になってきたりして、勿論、日岡も瀬島が自分を良く思っていない警察上層部、管理官のスパイではないか?と考えて、事前に彼を調査して、難病で子供失っている事等の情報を手に入れていたり警戒は怠っていなかったんですが。いつの間にか、親密な信用出来る相棒になっており、私もすっかり騙されてしまいました。

日岡が瀬島の家を訪ねると、隣の住人が迷惑そうに出て来て、そこには誰も住んで無いと言われ…はあ???
部屋に入ってみると、もぬけの殻、写真立てが落ちていたので、拾ってみると、仏壇に飾ってあった難病で亡くなった(という設定の)息子さんの写真…

やられたー!😱

元『公安』というキーワードに引っかかってはいたんですけどね。完全にやられました。宮崎美子さんが演じていた奥さんも、本当の奥さんではなかったんですよね。

瀬島が日岡に言った『ヤクザや悪人は俺たちは悪です、と言ってるからまだわかりやすい。悪いんですと言って悪いことをやっているから。政治犯はそうじゃない、正しいことをしていると思い込んで悪いことをやるから厄介なのだ』

これは誰のことをいってたのでしょうね。

碁盤斬りの予習だけでなく、Netflixで配信中のシティーハンターを観る前に、鈴木亮平さんのなりきりっぷりを観ておこうと軽い気持ちで観るようなものでは決して無い、恐ろしい作品でした。一作目も、必ず観ます。あと、SPも。

それと、ほろ酔い気分で雀荘を出る時は、道路状況に充分注意しましょうね(^_-)