やこぺってぃ

夜明け前 呉秀三と無名の精神障害者の100年のやこぺってぃのレビュー・感想・評価

3.3
出演者の方の一人が、呉秀三の論文の解釈をして、病院が足りないため病院を増やすことが喫緊の課題であることを提示してる?ようなことを言ってたけど、え、そうじゃないでしょ。呉先生は、病院を増やせではなくて、患者とされる人たちをコミュニティの中で見守りながら、支えていく社会を望んでいたんじゃないの?現在の日本の病床数の多さとか、病院内監禁になってるという現状があるにもかかわらず、出演者の方の解釈がなんかそれを助長させるようなものがあって、皮肉な映像でもあった。
出演者をもう少し考えた方が深まるのでは……

今は、自己責任という考えが根強くて、家族が抱えるのが当たり前という考えが問題なんじゃないかと思ってる。そして、まだまだ精神を病むということにたいする、弱いのがいけないんだ思想が日本は強い。つまり、まだ、障害の原因を個人に帰属している。障害は社会の問題であって、だからこそコミュニティ支援をしていかないといけない。「心身機能」の不自由を、生活上の「活動」で補い、
価値観など豊かな人生に「参加」することが求められてる。だから、病院は減らすことが望まれるということじゃなかったのかしら。それは、呉先生が、私宅監置している家族にたいして決して責めるようなことはしなかったということからわかるのかもしれない。
社会の問題。

いろいろと考えさせられた。
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