娘を見つける。この電子世界で
【アイデアの勝利】
まさか泣かされるとは思わなかった。
全編がPC画面の捜索型サスペンス劇。ネットサーフィンさながらに、snsからGoogleからとサーチしてゆく過程はハラハラドキドキするし、私たちが普段使っているものだからこそリアルさが生まれていた。
あとPCで視聴してみたところリアルさに箔がかかって没入感凄いです。
【現実の再解釈という映画の役割】
映画というのは本来、現実をドラマチックに再解釈するという表現でありますから、
どんなにリアルを求めてもカメラと被写体という関係がある以上、絶対に現実とは交わりません。例え、すごくリアルな作品があっても、それは映画的にリアルなのであって本当の現実ではないのです。
ところがこの「サーチ」という作品は、
娘を捜す父親の捜索劇を全編PC画面で送るのですが、そこには演技する役者やカット割りの存在がほぼありません。娘を見つけようと奮闘する父親の意思だけが純度100%に映されているのです。
だから感情模様も絵空事のようなドラマ性がなくて、まるで彼らをありのままの人間のように受け入れることができるのです。
この話をもし普通の映画のように仕立てたら私はおそらく泣かなかったでしょう。PC画面という私たちの生活の一部が、感情模様の基盤になっているから悪夢的な感情移入が可能なのです。
こういう試みは前の時代からあったのでしょうか?モキュメンタリーの新たな変化を見れた気がします。
【主人公が武井壮にしか見えないまとめ】
いやはやすごい作品です。ここまでやられるとは思いませんでした。まとめと言いつつ言うことありません。
面白い!以上!