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真実のmのレビュー・感想・評価

真実(2019年製作の映画)
2.0
今作の真実はどこにあったのか?親子の蟠りの作品なのか?それとも老いに悩む女優の苦悩なのか?もう少し腰を据えて描いて欲しい作品。それ以前に字幕制作した方下手過ぎる。

今作を観る前にかなりのフランス色が強い映画を観てしまったので、今作はセリフは多いは展開は早いは、説明は多いはで、やはり良くも悪くも【是枝監督】から抜け出さなかったと思ってしまった(まぁ、是枝監督作品なので抜け出す必要は無いが)好きな方がいらっしゃるだろうからあれだけど、私はあまり是枝裕和さんの作風が好みでは無いので肌に合わなかった。

国民的女優のファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴさん)の自伝本「真実」の出版を祝うため、家族が集まる。脚本家として活躍する娘のリュミール(ジュリエット・ビノシュさん)は彼女が何をつづったのかが気になっていた。そんなストーリー。

まずキャストが豪華。豪華だからこそ、この手の作品によく感じる〈このキャストじゃなきゃ観なかった〉になってしまっている。是枝監督は『万引き家族』でカンヌ、パルム・ドール賞を取った。賞を取るというのと自身の映画に大物俳優をキャスティングできるというのは、監督の才能が認められたというのと同義だと思う。が、海外進出初の作品にしては大物を使いすぎて、作品が大物俳優に喰われてしまっているのが難点。
カトリーヌ・ドヌーヴさん、ジュリエット・ビノシュさん、イーサン・ホークさん。素晴らしい俳優が揃い、演技合戦だが、いかんせん、中身は日本的なのでちぐはぐしている。

また今作がなにを軸にしているのかわからなかった。大女優ファビエンヌと娘リュミールの真実をめぐるやり取りなのだろうと思うが、ファビエンヌが老いに苦しむ姿も描かれており、一概に母娘の映画とも言えないような気もする。老いにフューチャーしているが、それが回収されず終わるのでなんとも言えない。
アルコール中毒を隠す二流の俳優ハンク(イーサン・ホークさん)もいるところを見ると、やはり母娘の物語では無いと思う。
タイトル通り、【真実】の作品なんだろうなぁ。母娘の蟠りを一番にフューチャーしなくてもよかった気がする。

そして、一番言いたいのが字幕製作した人下手過ぎない?
今作は子役の子が言った「それって真実?」を追求する作品。嘘だらけの自伝、記憶が変わっていく、虚構をつくりだす映画・脚本その嘘とまことの狭間の作品。なのに、“”を使って曖昧さを消し去っている。
またハンクがフランス語に四苦八苦し、リュミールに通訳してもらうシーンも““を使っており、演技の“”と通訳“”が混ざる。車の中でファビエンヌが演技か演技の練習しているのかと思った。下手過ぎる。

フランスって台本読みあんのかな?
ラストの日の入り方が是枝監督らしくて苦手だった。

ストーリー : ★★☆☆☆
映像 : ★★☆☆☆
設定 : ★★★☆☆
キャスト: ★★★★★
メッセージ性 : ☆☆☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆

cc/「ママ、あなたの人生 嘘だらけね」
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