●真実(2019年日本/フランス。カトリーヌ・ドヌーヴ)
フランスの国民的大女優・ファビエンヌが自伝本『真実』を出版し,それを祝うためという理由で,アメリカに暮らす脚本家の娘・リュミールが,夫でテレビ俳優のハンクや娘のシャルロットを連れて母のもとを訪れる。
早速,母の自伝を読んだリュミールだったが,そこにはありもしないエピソードが書かれていた。
そして,その自伝をきっかけに,母と娘の間に隠されていた愛憎渦巻く真実が次第に明らかになっていき……。
《レビュー》
リズムの合わない是枝裕和監督作品だが,これはいいと聞いて観てみた。
うん。
『海街diary』に続いて合う作品だった。
まあとにかく──カトリーヌ・ドヌーヴというのはスゴい女優さんだというのを認識。
その娘を演じるジュリエット・ビノシュも秀逸。
ちょっとした表情や仕草がスゴい。
まあよくある母娘ものではあって,その愛憎を描いてはいるんだが一風違う。
最終的にパッキリ答えが出てめでたしめでたしにはならない。
「めでたいのかな」というフワッとした感じもいい具合。
さらに面白いのは女優であり母であるファビエンヌに劇中劇で娘の役を演らせているところ。
この造りは見事だったなあ。
女優メインの是枝監督作品はいい──というのは,私にも当てはまるのかも。
https://www.youtube.com/watch?v=guXGdMh2QxY