石井裕也監督と言えば、「川の底からこんにちは」から好きになった監督です。
演出方法も俳優の良さを引き出してくれて、気持ちよく演技させてくれるのが、印象的な方でした。
おそらく本作でも、演技経験の少ない主役の2人には、のびのびと演技ができるような配慮があったと思われます。
それにしても、主人公を演じた細田君ときたら、人の良さがにじみ出ていて、純粋なキャラクターにぴったりでした。
しかし、あの走り方はずるい。(笑)
主役を支える脇役の同級生は、高校生にしては年齢がいきすぎてる感がありましたが、演技はさすがでしたね。
ストーリーとしては、人間が大好きな主人公と、人間嫌いのヒロインのじれったい程の恋愛模様が描かれます。
そしてその過程で、町田君と接した人たちは親切さに触れ、優しい気持ちになっていく。
普段、世知辛い毎日を送る我々にも、うるおいを与えてくれます。
ただ主人公に転機が訪れてからの、飛翔にはやり過ぎな感もありましたが。
スコアの平均点以上に楽しめる作品です。