まごー

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~のまごーのレビュー・感想・評価

4.7
大好きな先輩たちは卒業してしまい、黄前久美子らも二年生に。新しい後輩たちたくさん入ってきたけれど、どうコミュニケーションをとったらいいか。なんだか色々面倒くさそう。

そんな感じの部活あるあるからはじまるこのリアルさがたまらない。後輩のちょっとしたことが気になってイライラしてしまって、面倒くさくて、でもなんとかしなきゃいけなくて。じめじめした人間関係はそう簡単には晴れなくてそれでも鬼のような練習は続いて。誰かは選ばれて、誰かは選ばれなくて。とても上手な誰かがいて、どう頑張っても追い付けそうもなくて。なんのために頑張ってんのかわかんなくなって、そもそも頑張るってなに?
そういう地獄みたいな日々ばかりじゃなくて、友達は尊くて、恋人とのデートは楽しくて、そんな瞬間もあったりして。
でもやっぱり、こんな部活俺なら無理だな、逃げ出したいな、嫌だなって思うけど、でもどっか憧れてる自分がいて、とても彼女たちはかっこよくて。

リアルな葛藤をじめっとキラキラした映像とキャラクターの芝居で描いたそんな青春映画。
恥ずかしいような、この映画の感想を書くとうっかり自分をさらけ出してしまいそうな。何か自分語りしてしまいそうな。
すごく面白い映画でした。

OGの感じとかもうまんまよね。なんなんだこのリアリティーは。

黄前久美子ちゃんの声がすごく良い。個性的だけどほんとの友達にいそうなそんな親近感があって素敵。本作でも神演技っぷりがやばい。黒沢ともよさん覚えた。ファンです。

そして最後の演奏シーン。ここ最近見てきたアニメの演奏シーンのなかでも最高のシーン。シリーズ通して見てほしい。泣くから。

でも、黄前久美子たちの一年間が、
まるでダイジェストかのように一時間半くらいで終わってしまうのはすんごく寂しくて悔しい。

あーー。俺はいろんなものから卒業まだできてないな。まだ子供だ。
まごー

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