1年間の吹奏楽部の物語を100分でほぼ過不足なく描いているのは凄いとしか言えない。新入生全員が魅力的だし（この手の続編の懸念事項である新規の存在がノイズとなってしまうというものが全くない）久美子が今までで一番主人公をしている。ただ久美子が黄前相談所と呼ばれるくらいの信頼感があるのかどうかは疑問ではあるが。確かに久美子が周りに気を遣い過ぎな性格なのは観客としては理解できるが、それを具体的に描写しているシーンがかなでちゃんと飯食いに行くくらいしかないのがちょっぴり残念。かなでちゃんのクソ憎たらしいガキンチョ加減は本当に最高。それだけに、コントラバスのあの男の子とかW鈴木とか魅力的なキャラが多いだけに描き込みが足りないと思ってしまった（これはTVシリーズにも言える事で、群像劇としての物語を俺は見たいねん）。あと鎧塚さんの使い方は噴飯物。でもリズと青い鳥の印象的なオーボエが流れる中で久美子と玲奈が映る描写は流石京アニ。ただ絵が綺麗なだけでそれ以上の面白みがない他のアニメ会社とは違う。アニメじゃない、ドラマを描くんだという京アニの気合いが分かる作品。
