草舟

劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~の草舟のネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

「久美子2年生編」をアニメ化するにあたって、フォーカスするキャラを絞り、久美子を軸に物語を構成するという合意がなされたと思われる。ただ、それでも少し駆け足な展開は否めなかった。特に、久美子と秀一の関係性はもう少し描いてほしかった。
吹奏楽のコンクールは、スポーツのように数値化された基準があるわけではなく、審査する側も審査される側も難しい。そのため、コンクールでの高いクオリティの演奏に至るまでを物語で丁寧に描いたとしても、その後の一瞬の結果発表で感情の落差が生まれることを避けられない。その点で本作は、テレビアニメとは対照的な吹奏楽の一面を見せている。
キャラクターについて。さながら中間管理職の久美子や新入生の奏の描写は際立っていた。感情を明確に表に出すようになった久美子は、より強くなった。強いて言うなら、なかよし川の部長・副部長としての立ち回りをもう少し見たかった。
演奏は言わずもがな。フルートとオーボエの掛け合いが芸術的だった。
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