このレビューはネタバレを含みます
45点
MIBシリーズの生粋のファンではないものの、コンテンツとして興味のあるジャンルなので鑑賞に至ったが、予告編全部見せ状態でワクワクするところもなく、主演ふたりのバディムービーとしての出来も褒められたものではなかった。
この物語はモリーがMIBのエージェントになるまでを描いているのだが、彼女が有能すぎて成長譚としての面白みもない
前作までのバディ要素が男女ペアになったことで消滅し、かと言ってナンパ男と生真面目女というほどのコメディにも振り切れていない
Mが「MIBこそが人生のすべて」という割には、その台詞が活かせるほどの窮地や転換すらなく、ただただ優秀なエージェントが戸惑うことなくエイリアンをぶっ殺していくだけでカタルシスすら感じないのである
ミステリー部分もエージェント・ハイTが黒幕だったことはさほどサプライズでもなく、むしろ「エージェントOが黒幕」で内部統制を揺るがすために素人エージェントを紛れ込ませたという方が説得力がある
ハイTが黒幕であることは、改竄された記憶とハイTとHの信頼関係を基軸とするのことで物語性が生まれるのであるが、本作の主人公はMひとりと言っても良いぐらいHの扱いが雑なので、そのヒューマンドラマ部分ですら陳腐に思える。
唯一の見所は双子エイリアンの造形とリザ(レベッカ・ファーガソン)の強さぐらいで、ニューロライザーがなくても明日には忘れている映画であろう。