蛇々舞

メン・イン・ブラック:インターナショナルの蛇々舞のレビュー・感想・評価

2.0
私事だが、iPadを買った。
それにより、部屋の中や風呂の中で映画を観る時間が増えている。

その中で一気観したのが、Men In Blackシリーズだった。

最新作が公開されること。
また、ようやく作ったTOHOシネマズのカードが、同シリーズ仕様だったのを受けてのことである。

そういうわけで初めての視聴になったのだが、正直、びっくりした。

映画として面白いのはもちろん、宇宙人をメキシコからの移民などと重ね、アメリカ社会に溶け込んでそれぞれに生活している姿と、そんな人々と宇宙人とのバランスを守るメン・イン・ブラック。
これって、まさしく現代にも通じるモチーフというか、今こそ語らなきゃならない物語だろう!

そんなわけで、ドキドキワクワクしながら待った最新作「インターナショナル」。


……なぁにこれぇ?


いや、良い面もあるんだ。

クリス・ヘムズワースのスーツ姿はカッコいいし、彼のオチャメな笑顔も素敵。

テッサ・トンプソンはエネルギッシュで可愛いし、リーアム・ニーソンって良い声だよなぁ……。

以上。

あ、いちおうストーリーは大きな破綻なく纏まってると思うヨ!

……いや、あのですね。

メン・イン・ブラックに裏切り者が、って、それはいいけどさぁ。
展開されるのが、ほぼ人間同士の小競り合いって、なに考えてるんですかね?

宇宙人も出てくるけど、なんかCGのクリーチャーでしかないんですよ。
そんなん他の映画にも出てくるじゃん。
過去作に出てきた宇宙人たちを見てみ?
みんな気持ち悪くて特徴的で「えっ!」って目を引かれてみると、それぞれの性格や生活模様が伝わってきてたでしょ。
「地球で“生活してる”」感があったよね?

今回、ないじゃん。
どいつもこいつも個性が皆無。
生活感も皆無だから、「彼らが隣で生活してるかも」と思えない。

そんでもって人間同士の追いかけっこ、って、これメン・イン・ブラックじゃなくてもいいじゃねぇーかぁ!!!!

しかもストーリーも予想できる範囲のことしか起きなくて、サプライズが1つもない。
全てが予定調和的に進んで、肝心の裏切り者の正体も「そりゃお前だろ」と最初から思い付く人物である。

いや、いちおうミスリード要員はいるんだけど、あまりにもミエミエすぎるだろうよ!
逆に真犯人かもと邪推しかけるレベルのど真ん中ストレートだったわ!

そして力の入ったガジェット描写の数々。
ここは昨今の進化したCGにものを言わせてのど迫力満載。

うんうん、近未来ガジェットもメン・イン・ブラックの魅力の1つだもんね♪

でもねぇ、そんなもんはメン・イン・ブラックという作品の核を彩る装飾の1つに過ぎないんだよ。
この映画は、その「核」をごっそり引き抜いて、装飾ばっかり派手で華美にした……そんなシロモノです!

そもそも、後継者選びとか、過去作のプロットを意識して再スタート切る気マンマンなんだけど、そのくせ描写は雑なんですよね。

ニューラライザーとか、きっと初めて観た人には「なんかピカッとやれば記憶が消えるんだろう」ってことしか伝わらないぜ、たぶん。
「上書きする」って部分は間違いなくアピールできてないから。
だからこそクライマックスの「同じ事を繰り返してるな」の部分は「?」感満載だと思いますよ。

なんか、いろいろ今後を見据えて助平根性を炸裂させた結果、箸にも棒にもかからない凡作に成り下がっちゃったな。

「メン(男)・イン・ブラック?」とか、しょーもない疑義を呈しとけば現代風になるとか思ってんじゃねーぞマジで。
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