かんやん

オペレーション・フィナーレのかんやんのレビュー・感想・評価

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モサドによるアイヒマンの逮捕・連行(というより誘拐・拉致・監禁)を描く。昔ノンフィクションで読んだことがある事件。アルゼンチンからイスラエルまで勝手に連れ去るのだから、凄い話だ。

作品に当時のブエノスアイレスなり、イスラエルの雰囲気が出ていたら、サスペンスが引き立ったと思うけれど、そこは予算が許さない。モブシーンすらない。

あと、計画を立てて実行するワクワク感も希薄(女の人、必要?)。だから、達成感もない。

もともと違法な任務なのに、外国に連れ出すのにアイヒマン本人の同意のサインが必要とは本当なのか。そのサインをもらうための、心理戦が見せ場とはね。

面白い事件を映画化しても、残念ながら面白い映画にはなりませんでした。監督のフィルモグラフィはハチャメチャでなかなか面白い。

ところで、哲学者ハンナ・アーレントは『エルサレムのアイヒマン』で悪の陳腐ということを言っていて、アイヒマンは任務に忠実な単なる有能な役人という位置付けだったらしいのだが、最近『エルサレム以前のアイヒマン』という研究書が出て、それによると、やはりとんでもなく邪悪な人物だったらしい。

どっちも読んでないけど(笑)
かんやん

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