ルーク大佐

オペレーション・フィナーレのルーク大佐のレビュー・感想・評価

3.6
アドルフ・アイヒマンの容貌や小役人的な所作により、なぜこんな凡人があんな大それた戦争犯罪に加担したのか。著名な社会心理学者が関心を持ち、服従の心理やミルグラム実験などを研究したため、その分野では多大な話題を集めている。書籍や映画化もされている。

本作はイスラエルのモサドが彼を犯人引き渡し条約のないアルゼンチンから本国まで密かに移送するまでをサスペンスたっぷりに描いたもの。

彼を演じるのは名優ベン・キングズレー。世界のユダヤ人から忌み嫌われる男を演じることにどんな感情を抱いたのかが気になる。並みの神経ではできない役柄だろう。家族への生々しい感情とシラを切る狡猾さなどを巧みに演じていた。

傑作ドラマ『ファウダー報復の連載』のリオル・ラズがモサド長官を演じ、アイヒマン移送作戦の指揮を現地でとっていたため、「撃ち合いをしそうな雰囲気」があり、スリル度が高まってきたと思う。
ルーク大佐

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