くるみ

スター・ウォーズ/帝国の逆襲 特別篇のくるみのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

『スター・ウォーズ』公開順マラソン、二作目です。
あー…これは…エピソード4のほうが面白かったですね…。あちこちで指摘されてる事柄でしょうが、自分用に書いときます。
今作の欠点は、シリーズのマクロな構図である銀河帝国VS反乱軍が活かされていないところです。惑星ホスを離れてからは、ルークたちの戦いもハン・ソロとレイア姫の逃亡も、戦局にほとんど影響を与えないのであまり入れこんで見られない。はじめのルークがワンパに襲われるシーンからして、探査用ドロイドをもっと絡めて重要度を上げて欲しかったし。
反乱軍自体の主要キャラが出せなかったのが原因かなー。ホスを離脱した反乱軍主要部隊が、ルークたちを探す流れとか組み込めたらよかったのにね。
ルークVSダース・ベイダーも、ダース・ベイダーとシスがルークを引き込むためだけの戦闘になってて、目的をちっさく感じちゃう。雲の惑星ベスピンでの、ランドとの政治劇や帝国の悪さ描写は良かったです。

それはそれとして、私の今作一番の驚きは、ダース・ベイダーがルークに息子だと明かすのはエピソード6じゃなくて5だったのか!でした。
めっちゃ忘れてました。ルーク本人も言ってるけど、オビ=ワンもヨーダも教えてやってくださいよ。これこそがフォースを身につけるまでの試練じゃないのか。アナキンが闇堕ちしたことをお二人がまだうまく受け入れられてないからと考えられなくもないのですが、作劇上の都合が見え…いいけどね…明かすシーンが超格好良いしその後のルークの反応も素晴らしいからいいんだけどね…。

このあたりも含めて、ダース・ベイダーの強大さがよく出たエピソードだったと思います。あのテーマ曲が使われ始めたのも今回からですし、使えない提督の処刑も定番ながら効果的だった。そして皇帝もホログラムで初登場。
ハン・ソロとレイア姫のロマンスが一気に進展するのも今作だったんですね。二人のやり取りは、エピソード4のお互いの欠点を受け入れられない構図が抜けてしまって、喧嘩ありきからの仲直りになったのが残念だったけど。
そういえば、レイア姫の養父って出てきてましたっけ。前作でちらっと言及されてたけど、どうして姫って呼ばれてるかがわからないまま話が進むんだよな。アミダラ女王みたいに惑星の代表でもないし。

壮大な世界観の未来SFは、作者の「これがやりたい」が比較的はっきり見えるジャンルだと思ってるんですが(銀英伝なら歴史、エンダーのゲームならゆがんだ社会における子供の責任)、スター・ウォーズの場合はルーカス監督の「僕が創りあげた宇宙が見たいんだよ」という映像への欲求から来てるように見えます。映画だから当たり前なのかもしれませんが、それゆえ設定やストーリーよりも、その場にある惑星や宇宙船や宇宙人の描き方が重要視されているような。まあこの辺もさんざん検証されている事柄だと思うので、私個人の印象論ですが。

ラストでハン・ソロが凍結されるのもすっかり忘れてたんですが、予算があると次作への期待と不安が演出できて良いですね。この後、エピソード6も続けて見ました。
2015/12/15
くるみ

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