Inagaquilala

恋するスピヴァクのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

恋するスピヴァク(2018年製作の映画)
3.8
かつての仕事の関係で、作家が主人公の作品は、有無を言わず観てしまう傾向がある。Netflixで見つけたこの作品も、これまで1冊も本を出版したことがない作家(そんなんで作家と言えるのかは疑問だが)が主人公のラブコメディ。クリスマスを前に恋人のいない男友だち3人組で、LAからラスベガスに繰り出すが、案に相違して、作家であるウォーリーは、ほとんど客のいないクラブで訳ありの美女ジニーンと出会う。なぜかことがうまく運び、ウォーリーはジニーンと一夜を共にするが、翌朝、帰りのハイウェイでジニーンがスポーツマンタイプの男性と一緒なのを目撃する。何事もなかったかのように、婚約者だとウォーリーに紹介するジニーンだが、そのときすでにウォーリーの心はジニーンに強く惹きつけられていた。

婚約者はプロゴルファーのチャックで、彼はどうやら昨夜の事情も知っているようなのだ。この不思議な関係をめぐって、さらにドラマは続いていくのだが、この主人公ウォーリーのキャラクターがなんとも愛すべきタイプなのだ。ちょっとウディ・アレンを若くしたような雰囲気も漂わせているのだが、演じているマイケル・バコールはちょっと注目かもしれない。ラブの展開は、結局、紆余曲折を経て、意外な方向に(ある程度は予想できるが)進むのだが、最後がまたちょっと洒落ている。ロサンゼルスを舞台にしたウディ・アレン作品のような趣はあるが、湿度はさすがに西海岸だけに、かなり爽やかな感じだ。ラブコメとしては、嫌いな作品ではない。監督のアンソニー・アブラムスも注目しておこう。
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